こんにちは、孝です。
本日2月8日の誕生花はユキノシタ、花言葉は好感が持てる、です。
お姿です。
明日の誕生花はカトレアです。
そして本日は先日行った歯肉移植の症例をご紹介します。
患者様は60代男性、術部は左上第一大臼歯遠心部の骨欠損と歯肉消失、更に遠心根中央付近に陥凹がありました。咬合力による根の負担加重が原因と考えられます。
まず、根の陥凹部は MTAセメントで充填し補強、段差をなくします。1週間後の歯周再生外科治療に備え、不良肉芽を除去し、不要な組織の侵入を防止する為に歯茎の保護材で隙間を埋めておきます。
画像は、上記の処置後1週間経過し、仮歯を外した状態です。
患歯の右側のややピンクに見える長方形状の部分が歯茎の保護材で、ここが移植を行う部位です。
MTAセメントを充填した根面をできるだけ滑沢にして不良肉芽は確実に除去します、骨欠損部を明示し、人工骨顆粒を充填します。
口蓋側の歯肉を短冊状に切開し、断端を90度翻転し、頬側の歯肉と縫合固定します。
歯肉切除部は人工真皮(人工皮膚)で創面の保護と治癒促進を図ります。
画像は歯肉移植終了時のものです。患歯の右側に下側から90度翻転した歯肉弁、下側に人工真皮が縫合固定してあります。
この後、仮歯を着け、この日の治療は終わりです。
術後3週間経過時の画像です。抜糸の為に仮歯を外しています。人工真皮も除去しています。炎症も問題なく、順調に治癒が進んでいます。
歯肉移植には完全に移植片を切除する遊離移植と今回行った、移植片の1部を切除しないで残す有茎弁移植があります。
遊離移植は移植片の切除は楽ですが、一度完全に血流が遮断される為、移植片の血流再開が難しいと言う欠点があります。
有茎弁移植は切除方法、移植片の移動、固定も簡単ではありませんが、血行を保ったまま移植できる利点があります。切り離さないので移植片は完全には移動できませんから、移植する位置には制約があります。
今回位置的に恵まれており、有茎弁移植が可能でした。
それではまたお会いしましょう。