顕微鏡治療のための工夫、その①ミラー
こんにちは。今日も穏やかな一日でした。さて、顕微鏡治療では通常の治療とは異なる部分が多い為、治療をスムーズに行うには特別な工夫が必要です。ちょっとその裏側をお知らせします。まず、顕微鏡治療は、正面を向いたまま治療を行うので覗き込んだりできません。従って、身体を捻って覗き込む事のできる通常の治療やルーペを使う治療に比べて直視できる範囲がかなり狭いです。どうしても鏡(デンタルミラー)を使う頻度が大幅に増えます。しかも通常のミラーでは大き過ぎで邪魔になります。更に通常のミラーは反射面がガラスの内面にあります。実はガラスの表面でも弱い反射があるのですが、表面で反射した像は人間の目では光が弱く捉えられません。しかし顕微鏡ではこの表面の反射像も見えてしまいます。実際には像が二重に見えるのでとても厄介です。私が顕微鏡治療を始めた当初は小型ミラーもほとんど出回っていませんでした。そして表面反射のミラーは2社くらいしか発売していませんでした。表面反射ミラーはガラスのミラーではないので、ガラスに比べると反射率がどうしても低く像が暗くなってしまいます。元々ミラーは消耗品なのですが、とんでもなく高価でした。数年間待ってやっと反射率の非常に高い表面反射の小型ミラーが発売されました。このミラーを手にした時は嬉しくて嬉しくて仕方ありませんでした。今でもこのミラーの同型を使い続けています。
それではまたお会いしましょう。