顕微鏡治療のための工夫、その①続ミラー
こんにちは。今日も穏やかで自転車日和でした。昨日は顕微鏡治療に使うミラーについてお話しました。今日はミラー自体ではなく、使い方についてです。普通に鏡を使っていて、左右を間違える事はありませんが、ご存じのように鏡は左右が逆転して映ります。なぜ逆転した像を見ながら違和感なく歯磨きしたり髪をとかしたりできるのか?慣れているからとしか考えられません。お口の中でミラーを使うと上の歯では左右が、下の歯では前後が逆転して映ります。顕微鏡を使わない治療でもこの逆転現象は起きているのですが、前後左右、周囲を確認しながら治療しているので、それ程の違和感は出ません。一方、顕微鏡治療では拡大するので、視野が狭くなる為、この逆転現象が強調されるのです。歯科医にとってこの逆転現象は上顎よりも下顎が相当厄介なので、顕微鏡治療のセミナーでは必ず簡単な上顎でミラーの練習をします。それでも、初心者は間違いなく、必ず左右を間違えます。勿論、私も初めてミラーを使った時は左右逆に手指を動かしました。そのセミナーでは患者様の姿勢を変えて、できるだけミラーは使わないように、と指導されました。下顎はもっと厄介です。ようやく上顎で左右の動きを間違えなくなった、と自信を持って下顎に手を出すと即、天狗の鼻をへし折られてしまうのです。顕微鏡治療の専門書にもかなり当たりましたが、顕微鏡治療時に連続的なミラーの使用は現実的ではない、と書いてあるものもありました。要は歯を削る時のように、治療が連続する場合にはミラーを使わない、またはミラーを使う場合は治療を止めて使う方が良いと言う事です。ミラーを連続で使う顕微鏡治療は不可能ではないけれど、相当の修練が必要である、と言うのが大方の意見だったのです。
それではまたお会いしましょう。