顕微鏡治療のための工夫、その②治療用椅子
こんにちは。今朝は日差しもなくてびっくりする程寒くて、路面も濡れていました。都心でも初雪があったようです。さて、今日は治療時に歯科医師が座る椅子のお話です。古くは歯科医師も外科医と同じように立ったまま治療をしていましたが、ご存知のように座って治療するようになっています。その時使うのがスツールと言われる背もたれも肘掛けもないキャスター付きの椅子です。顕微鏡治療では上半身が少し前傾した方が安定するので、椅子も座面が前傾していないと太腿の裏側が座面に押されて直ぐに痛くなります。楽な前傾の角度は人によってかなり違います。前傾した上半身を背もたれが後ろから軽く押してくれると身体が安定して楽に治療できます。また、拡大して治療をするので、ミラーや器具の位置がぶれないように肘掛けは必須です。顕微鏡治療で使う椅子は背もたれ、座面、肘掛けがそれぞれ独立して角度、位置が変えられるような構造になっていて、治療用スツールとしてはかなり大掛かりなものとなっています。この椅子なしで顕微鏡治療をするのはかなり困難です。13年前はマイクロスコープ用の椅子は日本ではほとんど発売していませんでした。歯科材料店に相談してカタログ注文でドイツから送ってもらいました。それ以来ずっとこの椅子のお世話になっています。体が疲れにくいのは正面を向いたまま治療を行う顕微鏡治療のメリットの1つなのですが、この椅子のお陰もかなりあると思います。固過ぎず柔らか過ぎず、そして全ての部分が微調整できる優れものです。
それではまたお会いしましょう