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顕微鏡治療はこんな感じです。⑦ 

こんにちは。このところ春めいた日が続いていましたが、明日からは寒の戻りだそうです。寒くなっても仕方ないですが、花粉の量はこれから増えるばかりなのが辛いところです。さて、顕微鏡治療ではデンタルミラーと呼ばれる、お口の中で使う鏡の使用頻度が格段に増えます。これは歯科顕微鏡に限らず、治療用の顕微鏡が正面を向いて使う設計だからです。元々脳外科や眼科で使われていた顕微鏡の流用から始まった歯科顕微鏡なのですが、ミラーを使っての治療は歯科治療に限定されるはずです。お口の中は奥行きも広く、死角に入ってしまう部分も多いので、ご存知のように直接視野に入らない部分は顕微鏡治療でなくてもミラーを使います。しかし、顕微鏡治療では、裸眼や治療用の双眼ルーペのように上体を捻って斜めからお口の中を観察することができないので、直接見える部分は更に限定されてしまいます。奥歯は上下共ほぼミラーを使っての治療となります。逆にミラーを使いこなせれば、絶対的に質の高い治療が可能になります。鏡像は上顎では左右が反転し、下顎では前後が反転して見えます。当然、直視した場合に反転はないので、脳内の混乱を更に倍化させます。このミラーによる反転が顕微鏡治療の難しさの原点でもありますが、これを克服して自在に手を動かせるようになると世界が変わる感じを体感できます。この体験には数段階あるのですが、どれもとても素晴らしい経験でした。

それではまたお会いしましょう。