顕微鏡治療こんな感じです。⑬
こんにちは。今日は昨日にも増して春らしい1日でした。さて、顕微鏡治療では水のコントロールが重要になる訳ですが、それ以上に気を使う必要があるのが視野の違いです。顕微鏡治療中の視野は1歯分くらい、1cm程度しかありません。当然ですが、顕微鏡から目を離すと視野は通常の範囲に戻ります。この差は少なくとも100倍以上です。そして器具は顕微鏡の視野外から持って来る為に、横着をして顕微鏡を覗いたまま器具をお口の中へ入れようとするととんでもない事が起こります。顕微鏡を覗いている時に視野の外にある自分の手は、位置が全く分からなくなります。正確には、自分の手があると感じている場所に自分の手はありません。感覚と現実とにズレが起こるのです。顕微鏡から目を離すと、そのたびに視野が急激に変化するので目や脳にとても大きな負担がかかります。しかし、器具をお口の中から外へ、お口の外から中へ動かす時はその都度目を離して器具の位置(手の位置)を目で確認して操作しないと患者様の顔に器具を当ててしまう危険があります。そんな馬鹿な、と思われるかもしれませんが、顕微鏡治療中、視野外の自分の手は、手があると感じる場所に絶対手はありません。こんな事は顕微鏡治療以外では起こらないと思いますが、毎日感覚と現実のギャップに踊らされないように頑張っております。
それではまたお会いしましょう。