顕微鏡治療のメリット②
こんにちは。今日は曇天で気温以上に寒く感じました。さて、根の再治療が必要な時、土台の金属を削る過程で先日お話ししたパーフォレーションが起きてしまう危険があるのですが、問題なく土台の金属が削り取れ、根管治療が進められる状況になってホッとしたのも束の間、根管内で破折した針金のような器具、リーマーとかファイルと言いますが、これを除去しなくてはならない場合があります。この破折した針金のような器具はレントゲン写真で確認できる事が多いので、最初から土台の金属除去と破折リーマーの除去が避けて通れないと分かっている場合があります。クリアすべきハードルが2つは精神的にもかなりしんどいです。私の場合、顕微鏡治療を始める前は何度トライしても破折リーマーが除去できなかった経験があります。手探りの治療なので運が良ければ除去できるレベルです。除去できない場合、根の先を外科的に切除する方法くらいしか治療法がありません。元々破折リーマー自体がそれ程多い症例ではありませんが、数年に1回は遭遇します。顕微鏡治療下では安全に、術者も緊張する事なく、まず間違いなく除去する事ができます。プレッシャーを受けずに難治療と言われるレベルの治療ができてしまうのは顕微鏡治療の醍醐味と言えるかもしれません。
それではまたお会いしましょう。