顕微鏡治療のメリット④
こんにちは。今日は久しぶりの晴天で肌寒くはありましたが、風もなく過ごし易い1日でした。さて、顕微鏡では光源がレンズのほぼ軸上に設定されているので、見る角度と光軸のずれがないので、対象物が影に入る事がありません、通常の光源は視線上にはないので対象物が影に入ってしまう事が時々起こります。これは治療上とても大きな差で特に根の内部や骨の内部を治療する時に対象物が影に入ってしまうと、とても見辛くなってしまいます。例えば、上顎には上顎洞と言う空洞がある為、骨の厚みが少ない事が多く、インプラントの埋め込み手術では問題になる事があります。上顎洞の底に位置する粘膜を上げ、人工骨で骨の厚みを増し、インプラントを埋め込む、上顎洞挙上術と言う術式があるのですが、この時、顕微鏡を使うと上顎骨内部の骨と粘膜の境目がはっきりと見え、粘膜を傷つける事なく骨の厚みを増やす事ができます。粘膜が傷つくとそこから人工骨が漏れ出すので、粘膜の挙上はできず、骨の厚みを増やす事はできません。以前は手指の感覚だけを頼りにしていた術式が目で確認しながらできるのは本当に凄い事です。顕微鏡治療ならでは、と言えると思います。
それではまたお会いしましょう。