上顎洞の炎症がCTで分かります。
こんにちは。今日は久しぶりの晴天、空が眩しいです。しかし、風が酷く、それほど暖かくはありません。自転車に乗りましたが、吹き飛ばされそうでかなり厳しかったです。花粉だけでなく、もしかしたら黄砂も舞っているのか目や鼻、喉の調子も良くありません。さて、顕微鏡治療の頼れる相棒、CTですが、実は粘膜も映る優れた特徴があります。通常のX線画像では骨や歯は映りますが、通常、粘膜はほとんど映りません。歯科領域のCTで特に役立つのは上顎洞と呼ばれる上顎にある空洞の粘膜です。ここは炎症が起こり易い部位で、パノラマと呼ばれるX線画像でも全く映らない訳ではありませんが、診断に使えるレベルではありません。炎症が起こるととてつもなく肥厚します。場合によっては空洞が粘膜で占められてしまうこともあります。こうなる前に熱っぽさ、頭重、痛みなどの症状が出る事が多いです。歯が原因である事の他、酷い鼻炎や花粉症が原因である事も少なくありません。歯が原因である場合、ほとんどが、根の感染が原因です。感染根管と呼ばれる、根の先の病巣が広がると炎症が上顎骨を突き破って上顎洞の粘膜にまで波及する事があります。感染根管治療で改善する事がほとんどですが、難症例や治療期間の延長につながる場合もあります。痛みが退いても根の治療を途中でやめてしまう事は絶対に避けなくてはなりません。
それではまたお会いしましょう。